
あさやけさん(2006)
ひとも育つ
家も育つ
暮らしながら
「おうち」をもっとオモシロク
変化しつづけるおうち
育ちつづけるおうち
暮らして19年になる「あさやけさん」は、ふたりが最初に一緒に作ったおうち。東と南に窓がある最上階のメゾネットで、明るさと間取りの面白さに惹かれて中古で購入し、暮らしながら時間をかけて少しずつリフォームしました。
壁紙も天井も床も取っ払い、細かく仕切られていた部屋やキッチンの壁もなくして、家族が緩く繋がる空間に。古いのを壊すとどんどん景色が変わっていきました。木の温もりを感じる床や家族の気配が感じられる小窓など、ふたりが大切にしたい家庭やおうちへの想いが宿っています。
子どもたちの成長や暮らし方の変化に応じて、空間のあり方を少しずつ変えながらふたりで作ってきた家族のおうちであり家庭であります。
ふたりの想う「HAUS」を感じることができる大切な場所です。
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おうちのポイント
オモシロくて、楽しい
子どもがその時に2人まで増えてたんかな。もうアパートに飽きて、いろんな賃貸見てたんですよね。で、見てたら、ここのマンションのチラシを直治さんが見つけてくれて、なんかメゾネットになってるねんて、マンションやねんけど。何かちょっと面白みがあるから、売り物件やけど1回見てみよっかって。
見に行ったら「いらえるやん自分で」って。その、間取りを変えたり、自由にリフォームできるっていうのを教えてくれたら「あ、もう絶対面白い、このマンションって。もう見た時にピンときてしまった」
中学校見えます、小学校見えますっていうのがイメージがめちゃできてしまって、子ども2人が中学卒業するまでぐらいのイメージでいいやんって。ここやったら全然手の届く、そんなにお金かけずに住めるよなっていう。リフォームなら好きなようにできるでって言ってくれたのが大きくて、そっからのリフォームがもうすっごい楽しくて。
住みながら作ったおうち
まだまだ現場の中に引っ越してきて。とりあえず1部屋に荷物をほり込んで、現場状態で暮らしが始まって。
資材とかいっぱい立て掛けて。2階はブルーシートにいっぱい材料積んで置いてたし。引っ越しだけ無理くりして。まぁ住みながらこう作っていくみたいな。
壁も扉もほった部屋
一番最初に荷物を入れた部屋、手前の部屋が全部カビ生えてしまった。荷物ごと部屋もすごくカビが生えてしまって、じゃあその荷物ほった時に壁もほろうってなって、壁もとっぱらって、壁も扉もほって。オープンな部屋になってとか。
黒から白に
床、黒かったもんね。ダークな床やった。すごいダークなブラウン。ツルツルした感じのフローリングやったし。壁は普通にクロスやったし、階段は絨毯。廊下も絨毯やったかな前の人がマンションフローリングみたいなちょっとふわふわする床に変えてはったんやな。
クロスめくって天井のクロスもめくってとかを全部、私の弟呼んできて一緒にしたりとか。
玄関の吹き抜け
これは最初からで。吹き抜けやったんですよ。全体が。で、2階が物入れがちょっと少ないから、こっち壁して、ここが今物入れになって。天井に板を貼ったのは十数年前、暮らしながらもちょいちょい変えたりとか。
ぴったりの下駄箱

「こんなんやりたい」ってなるけど、結構時間置いたら「あ、やっぱりいらんかった」っていうのもいっぱいあって。今までもそうやけど。そのためにじらしてる訳じゃないんやけど、何かたまたま間置いてたら、やっぱりこっちの方がええなぁってなるし。何かこうやっぱりいらんかったなっていうのも結構あってな。
やっぱり何か、それを見てる訳でもないんやけど、たまたまかもわからんけど、その思ってぱっとやるっていうのが正解な時ばっかりでもない。ずっとそんなんほっといて。でっかい脚立があって、それをずっとうち下駄箱にしてて、そうそう。そこに靴並べてな。ほんと、何年もそれやったもんな。越してきて。
今下駄箱にしてるあれ、何かの箪笥やねんな。茶箪笥みたいなんなんやけど、骨董みたいなやつ。で、「あ、ちょうどあそこの寸法にぴったりやから下駄箱にしよう」とか。まぁ、急がんかったらそこにぴったりな何かに出会えたりもするから。
ブルックファームのイメージ

あれも雑貨屋さんでみつけた絵なんやけど、あれは僕が気に入ってんけど、ブルックのイメージで。
家あるでしょ?あそこにyuccoさんがおって、仕事しながら、僕が作業してんのを見てもらうみたいな。 yuccoさんの見えるところで、なんか畑仕事みたいなのを。全然違うんやけどこの絵がぴったり来て。土と、暮らしと豊かなところ。
気に入ってただ買ったもの

雑貨屋さん、好きでよう行ってて。そこに何か窓があって。これもそうなんやけど。どこに使うって訳じゃないんけど、何か欲しい、可愛いって。
何かのタイミングで、あ、ここええんちゃう?みたいな。ここのために買った訳じゃなくて、これが気に入って買ったみたいな。この扉もそうなんやけど。事務所作る時に使ってええいうて、ほんでまぁ引き払う時に欲しいのだけ持ってきてて。ほんでここにしようって。これに合わせて枠をちっちゃくして。
あるじが変わる部屋

ここに5人寝ててんけど。今もう娘の部屋になってる。一応次男の勉強机も。全然ここにはいないけどね。
元々吹き抜けやから、もうちょっと床とクローゼットがあって、扉があって2部屋に分かれた。個室みたいなんはあんまり好きじゃなかったし、個室っていらんって思ってるから。
種(たね)製造所

昔畑やってた時は、2階のバルコニーが種製造所みたいになってた。満タン苗植えてたんですよ、ここに。このポットの種から。 ご飯、料理で出た種とかも全部植えてて。子どもらも種見つけたら「種あんで」って言って全部植えるみたいな。
朝方の住人
ここが南とこっち東で。下は東にも窓あるから、朝は明るい。ここはもう陽入れへんからあれやけど。
ちょうど、まぁ、あのゆきとか完全朝方でね、うちの子らも夜8時には寝て、朝5時 6時に起きるみたいなんずっとやってたから。ちょうど日当たりはちょうどよくて、こっちは朝で、向こうは夕焼けでみたいなイメージで。
月が見える窓

ちょうどこっから月見えたりとか。
色んな窓

窓好きやったんですよね。行ったら欲しがるいうか。何か別に目的もなく、アンティークのお店に行くのが好きな時代があって、行くと欲しくなって。どこに使うっていう目的もなく。ここいけんちゃうん?とか、ここは無理?とか、そういう感じで。
部屋がちょっと繋がり感があって。区切ってしまうのがあんまり嫌で。家の中にゲート付けたり鍵つけたりっていうのが嫌で、緩く繋がってる感じがいいなって。光がちょっと見えるとか、何かしてんなっていうのがわかるとか。何かね。子どもに個室を与えるのが嫌で。何か気配感じたいみたいな。
外の景色が見えるキッチン

キッチンは元々壁で囲われて独立していて、汚れがリビングにいかない方がいいからその方がいいかなって。
でも直治さんは「取っ払った方が絶対いい」って言って、一回壁も全部取っ払ったらやっぱり見える景色が違うくって。「そうやな、もったいな」ってなって。で、外見ながらキッチン立てるなってなって。
歴史を刻んだ机

最初、気に入って買った訳じゃなくて、必要に迫られておっきい机がいるぞってなった時に、あんまり選択肢がない中で買ったから、いつか買い換えたいってずっと思ってたんやけど。
ゆうやけさんのキッチン作る時に、この机をキッチンの天板にしようかって言いだして。ここにシンクをはめて、コンロもはめて、これがキッチンになるかも。で、反対側でアイランドみたいな感じで、ご飯も食べれる高さのちょっと低いキッチンができるんちゃうかって言って。
持っていかれるとなったら、やっぱりここにこれいるって。ずっと歴史刻んできたっていうか、みんなでここで食べたなっていうのがなくなると思ったらやっぱいるって分かったみたいな感じ。今もう新しいのほしいとは思わなくなった。
隅っこ

あの角にいっつもおる。あんまり自分の空間っていらんくて。まぁここにおるかそこの椅子におるか、あとはまぁ寝てるかみたいで。隅っこ好きもあるし。景色ね。こっちむっちゃ見えるんですよ。座ったら。一応ちょっと横に飲みもん置く台つけて。ちょっとお茶を置くのに角削って丸くして。
寒いとその下に座って、背もたれにしてマットに座ってるみたいな。大体そこ。見渡せるやんか。ここもそうやけど。間苦手なんですよ。こっち見てたらみえへんみたいなんが苦手で。だからこう座りたい。だから見える。昔からそう。
待っているところ
まだいらいたいところはあるねん。現場感が残ってるむき出しところ「何かしてくれへんかな」っていうところはずっと待ってる状態。一応意向は伝えて。
作りたかったもの

今になって「自分の家を建てたい」っていうのは結局僕はその家庭が欲しかったんやなっていうことに気づいたんですよ。だから今はもう全然家建てたいとも思わないんですよ。
姪っ子が結婚式の時にみんなで行って、何か家族写真みたいなのを撮ってもらって。たまたま。何かその時かな。大工とか工務店っていうのを、思うにまぁそれは手段やったんやけど
家庭っていうのに憧れてて、それこそ、それをHAUSっていう。たぶん作りたかったんはHAUSやったんやなっていうのが、最初の話、建物だけじゃないホームみたいなのとか、たぶんその名前変えたくらいから何となく感じてたんと思うんですよ。
自分がこう良かったって思える。できて、こうあれてよかったっていうのを、仕事として他の人に伝えたいみたいなどういう手段かは、まぁ建築だけじゃなくて、なんかそういうのは今ちょっと思うし、それを仕事にできたらいいなぁとは思うし。そういう仕事がHAUSっていうのでできればなっていうのは思ってて。今そんな状態。